今さら中古ソフト考

 主にパソコンゲームソフトについて。尚、最初に書いておきますが、メーカが中古ソフトについてもサポートを行うべきとは”これっぽっちも”思っていません。サポートは新品で購入したユーザが受ける権利だと考えています。中古を選ぶユーザはそのリスクを負った上で廉価に購入することになるからです(ただし、前オーナがサポートを受ける権利を行使することなく売却した場合はその限りでは無いとも思っていますが、それはまた別の話)。その上で、メーカは中古市場を排斥すべきではないと考えています。

 まず中古市場の役割を挙げてみます。

1.旧作のアーカイブ
2.購入したユーザの資金調達
3.小売店の粗利確保

 1は言うまでもありません。様々な理由で終息した製品を流通させ続ける役割は大きいのです。2と3は単体では大きな問題ではないのですが、不正コピーと絡んだ合わせ技で疑似レンタル的な行為となり、メーカ的には悪とみなされることが多いようです。でも、本当に全てが悪でしょうか。

 中古で回転し始めると新規流通が止まってメーカに売り上げが入らなくなることからそのように考えるのでしょうけど、恒常的に中古へ流すユーザはその差額分で新作を廉価に購入でき、中古で購入するユーザもまた新品より廉価に購入することで失敗した場合(笑)のリスクを軽減できます。この不可思議なサイクルが、市場規模に対して供給過多と言われ続けながらも”業界”が存続できていた理由の一つだと思っています(あくまでも一つ)。つまり、その辺がユーザ的な適正価格なのだろうと思っています。図らずも中古市場の存在でそれが成立していた訳です。

 では、そのサイクルを壊すとどうなるのか。(肯定する訳ではありませんが)焼き売りでも何でもとにかくは新作を購入していたユーザが購入数を絞り始めます。そして中古だろうがワゴンだろうが金を出していたユーザも本数を絞るか離れていき、市場全体が縮小していきます。一番怖いのは、様々な制限を加えることで買い支えていたユーザまで離れることです。「ソフトが売れないのでサービスが悪くなりますけど買ってくださいね。あ、価格は据え置きです」と言われてどれだけのユーザが付いて来るのでしょう。

 市場規模に対するメーカ側の期待とこちら側の実感のズレが看過できないほど大きくなっている気がしたので、今さらながら書いてみた次第。他にも P2P の絡みとか実店舗と通販の関係、果てはダウンロード販売とか考えるべき要因はもっとあるのですが、取り敢えず過度な中古排斥は更なる淘汰を招きますよ、と言うお話。”業界”としてそれを望むと言うのであれば止めはしませんが。付いても行き(け)ませんけど。

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