これが都知事の望んだ世界

 東京都が議会に提出した「東京都青少年の健全な育成に関する条例の一部を改正する条例」について、これが施行されたらどうなるのか、実はサンプルが既に存在します。はい、国産パソコンゲーム業界のことです。

 昔話をします。1991年にいわゆる沙織事件が起こります。その翌年に宮崎県によるパソコンゲームソフトの有害図書指定を受け、現在に至るソフ倫が設立されます。さて、その設立から暫くは(と言うか sogna 脱退まで)ソフ倫に加盟しないメーカのタイトルは一部の大手を除き流通が取り扱わない状態でした。その中で「美少女ソフト」を提唱(?)していた徳間書店が18禁化に異を唱えながら撤退したり、一般ゲームをリリースしていた JHV ブランドの「卒業II」が未成年の飲酒喫煙シーンを理由に18禁指定されたり(発売後に新設されたR指定へ変更)と混乱を経て、気が付いたらいわゆるエロゲーとファルコムしか残らない市場ができあがっていました。両極端で中間のカテゴリがほぼ存在しない市場です。

 件の条例案は強権を伴うことで基本的に18禁とそれ以外のカテゴライズしか存在できず、その閾値が非常に低い、当時の国産パソコンゲーム業界とほぼ同じ構図を作り出そうとしています。分母が違うのですぐに同じような惨状(おい)になるとは思いませんが、長期的には同様に収れんする可能性を否定しません。気が付いたら毒にも薬にもならない児童向け作品と、エロとバイオレンスがウリの18禁作品しか存在しない、そんなマンガ、アニメの世界が来ないことを祈りたいところですが...

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